20 7月 旅のかたちをリデザインする
旅の要素は
移動・目的・宿泊の3つに分けられる
[eltdf_dropcaps type=”normal” color=”” background_color=””]あ[/eltdf_dropcaps]たらしい旅のかたちとは、旅に対する「取り組み方」「姿勢」にあるんじゃないか?と定義してみたものの(参照:あたらしい旅と暮らしって? )実際に、旅でも旅行でも言い方はなんでもよいけれど、とにかく宿泊を伴う移動をするときの要素というのは移動・目的(観光)・宿泊の3つの要素に因数分解できる。
通常目的の中身が「観光」と呼ばれ、その中に、名所旧跡を訪ねたり、美味しいご飯をいただいたり、お目当てのショップや、美術館や博物館、神社仏閣に行ったり、はたまた◯◯体験といって、皿の絵付けしたりイチゴ狩りしたりするわけだけれども、その時間というのは、実は旅の一部でしかない。
移動手段と宿泊施設にもっとこだわってみる
だいたいにおいて旅の計画は、「目的」の部分だけを主に考えられている。 移動手段に至っては、最初から「クルマ」とか「公共交通機関」はたまた「観光バスツアー」で選択の余地なしといったオマケで考えられていることがほとんど。
けれど、このその場所までに「どのように」行くか?にこだわると、俄然その旅はおもしろいことになる。有名なのは、テレビで人気となった「路線バス縛り」の旅。行きたい土地までに、どのような交通手段で行くか?というのは、実は旅のテーマや得たい感情・感覚にとって非常に大きな意味を持つ。
移動手段の違いで
旅の性格がまったく異なってくる
例えば、遠くの土地に行くのに飛行機とレンタカーを使って行くのか?それとも、フェリーで行くのか、新幹線、夜行バス、青春18きっぷ、ヒッチハイク・・・。同じ場所に着いて、同じ宿に泊まったとしても、その旅の意味合いは随分と変わる。当然、到着したときの気分も全然違うのだ。最短最速主義なのか、それとも不確実なユニークさを取るのか、経済合理性を重視するのか?
これって性格でもあり、自分のライフスタイルとも、関係ありそうじゃない?
宿泊施設の選び方も同じ。
「どんな感情を得たいか?」で決めてみる
どんな宿に泊まるか?というのも、交通手段と同様、旅のスタイルや性格を決める大きな要素となる。人と出会ってワイワイと話をしたいのか? ゆったりとリラックスした気分になりたいのか? 寝られればいいのか?それとも景色のよい部屋でのんびりと時間を忘れたいのか? 分単位で連れ回される団体ツアー旅行じゃない限り、どんな宿でどんな気分になりたいか?から、泊まる場所を決めてもいい。ワイルドな気分になりたいなら極端な話、野宿だっていい。
日本のゲストハウスに数多く泊まっているゲストハウスプレス編集長の肩書を持つわたしだけれど、何度かに一回の割合でビジネスホテルに泊まったりもする。 あの誰ともしゃべらない無機質な感じがいい、と思うこともたまにはあって、それは自分の好みだけではなく、どんな気分でいたいか?今の自分に無理のない状態はどういうことか?を常に考えている結果からかもしれない。
誰かと一緒に、小さな子供がいる、といった条件下では、選択肢が限られてくることも当然あるけれど、それでもその中で、どういう宿で、どんな夜を過ごしたいか?を丁寧に感じてみると、宿の選択肢も、予算だけ、交通の便だけで決めることはきっとなくなる。